ビフィダス牧場

サークルyogurt、ビフィダスの活動報告場です

こんにちは。
エロ描く方のビフィダスが、今月末発売の『エンジェル倶楽部』4月号読者プレゼントにて、
手書き色紙三枚を担当いたしました。
読者プレゼントの応募方法は…巻末についているアンケート用紙(の宛名部分)に読者プレゼント応募欄がありますので、
それに希望の品(いろいろあって豪華)と宛先を記入してハガキに貼り付けてポストに投函するとそれが編集部に届いて、厳正な抽選の末に当選者に品物が届く、
的なものとなります。
色紙2

 今までエンジェル倶楽部さんに描いたまんがのヒロイン三人となりますね。
一番左が3月号の花澤さん。便所でばっかりエッチする清楚純情変態です。 なんてこった。
真ん中が1月号よりアオイ先輩。 二郎の食べ過ぎて太ってしまった上に調教されます。なんてこった。
一番右が、デビュー作となる11月号の原田さん。 暴漢に襲われたトラウマからか、好きな相手に腹責めを求めるようになってしまったスポーティー無口女子です。なんてこった。

エンジェル倶楽部編集部通信でもご紹介いただいております。http://angelweb.jp/blog/?p=10550
慣れないアナログ、初めてのコピックで頑張って描いたよ!
エンジェル倶楽部4月号の情報はこちら!http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51518084.html

よろしくお願いいたします。

 

雑誌の編集さんとのやり取りの中で感動したことがあったので、それについて記したコラムです。

私が作品を掲載させていただいている『エンジェル倶楽部』誌さんには
アンケートというハイテック・システムがあり、
巻末についてるアンケートに感想を記入しハガキに貼り付けて街角のポストに投函すると
その意見が編集部に届いて雑誌運営の判断に加味されたり、ご感想が作家に届いたりする。 
作家という、暗闇の海を手探りで泳いで生きていかねばならない運命を背負った人々にとって、このアンケートは心から嬉しい栄養補給となり、また明日への羅針盤となる。
(雑誌によっては、このシステムがないんだそうだ!ある作家さんに「それ困りませんか?」と伺ったら「困る」と仰っていた。そりゃ困るよ。)
今回、このアンケートにまつわる、心底感心する経験をした。
==
この度、エンクラ3月号(1月末発売だから今まだ書店にある)に「公衆便所の花澤さん」という作品を掲載させて頂いた。
トイレの花澤1
↑こういう作品。エッチだよ。詳細はリンクでどうぞ→http://yogurtbifidus.blog.jp/archives/53106505.html
電子書籍版もあるhttp://book.dmm.co.jp/detail/b450eagcl00855/
 先刻、そのアンケートの中間集計結果を編集さんより頂戴した。
(アンケートは中間集計と最終集計がある。なぜ集計タイミングが二つあるのかは知らないが、私の推測では、中間集計のタイミングと『その月末に出す本の校了時期』が重なっているので、中間集計の良し悪しが次号予告でのプッシュ度合とかに作用するんじゃないかと思っている。思っているだけ。中間と最終とで順位はわりと変動する。)
そして、その結果がかなりとても良かった。読者の皆様にご支持頂けたことが心から嬉しく、また感謝しております。励みになります。(多くの方々は僕のことを「なんかヘンなギャグを描いてるお絵かきマン」と思っていらっしゃると思うが、スケベマンガの方でもちゃんとやっているのじゃぞい。)

その時、私の編集さんが電話口でこういう言い方をされていた。

「着々とファンを掴んでいるので、よい傾向です」
「掲載ごとに実力がついているので、よい傾向です」 

……この言い方が何を意味するのか、編集さんとの会話の最中は殆ど理解しなかったが、
電話を切った後に暫く考えていて、恐ろしいことに気が付いた。

編集さんは「人気ですね」という言い方を避けている
仮にそういう表現を口にしたとしても、話の力点はその都度「雑誌購読者の方の中にファンが増えているということ」「私の実力が向上していること」に置き直されている。

……わかりますか?

人気順位は、変動する。毎号ごとにフラフラ上下するし、上がれば下がる。
一位にでもなってしまえば、その後は「維持するか下がるか」しか「ない」。
センシティブな人であればそれで一喜一憂してしまう。漫画掲載という先の不透明な世界で、行く末に悲観的になったり、オタオタと方向転換を焦ったりしてしまう。
そもそも、「トップをとる」とかいった喜び自体が、麻薬と同じ「感情の前借り」 みたいな作用を持っている。喜びがでかいほど、反動として「次も維持できるのか?」というネットリとした不安が来るのである。そして次にトップをとっても同じ喜びは味わえないと来た。いよいよ麻薬めいている。
編集さんはそのことの無意味さを分かっているのだ。
というか、そのときの一喜一憂の乱高下が持つ悪影響を
だが、「獲得したファンの方々」は、そう乱高下しない。
ましてや「積み重ねた実力」は、決して下がらない。積み重なるのだから、どんどん増えていく。
編集さんは、そういう「乱高下しない指標」を、作家に与えて、そういう仕方で作家を励まし、元気付けているのだ。

……このことに気づいて私は卒倒しかけた。 

こういう、配慮に満ちた振る舞い、どうやって獲得するのだろう?どこから?
思うに、編集者という職業につくと、ほどなく「日本まんが編集者協会」みたいなとこから連絡が来て、どこかの広間に呼び出されて編集グランドマスターとかにレクチャーを受けるのだ。「人気は乱高下するから作家を人気で褒めるべからず、実力の有無とファンの有無で褒めるべし」「アッハイ」みたいに。
 
いつか暇が出来たら、編集部に取材に行きたい。そう思った。 
==
作品を世に問うことを生業にする、とは、
「自分の内面を世間に曝け出し、評価を仰いで生きる」という営為だ。 
つまり「人のことをそんなに気にしていちゃいけない、けど、ある程度は気にしなきゃいけない」という、どうにもスピリチュアルな営みなのである。
精神はふあんていになる。  
そして、商業をやってみて分かったのだが、漫画に、というか、「定期的に作品を提示しつつ自分のモチベーションを管理して生きていくこと」に、決まった方法論はない。
作家さんはその都度自分なりのやり方で「よさそうな手」を探り出し、同業の仲間たちと研究したり研鑽したりしながら、必死に泳いでいるのだ。(考えてみるとこれは大半の職業において、というか人生の大半の局面においてそうなのだが。ヴァレラとかマトゥラーナの生命システム論に「パイロットの比喩」ってあったろう。飛行機の操縦士は箱の中で必死こいてレバーとかを調整しているだけで、自分が上手くやってるのか否かは自分では全然わからない、という。あれだ。) 
作家のセルフコントロール、中長期的セルフコントロールというのは、「漫画を上手く描くこと」以上に重要なことなんじゃねーか、と、時々思う。まあまんが専門学校とかでは漫画描きながらこのセルフコントロールも暗黙裡に学ぶことになるのだろうけど。行ったことないから推測です。

五ヶ月連続登場となりますが(なんてこった)、
エロ描く方のビフィダスがエンジェル倶楽部3月号(1月30日発売)でマンガを掲載させて頂くことになりました。
タイトルは「公衆便所の花澤さん」。
公衆便所でばかりスケベをする花澤さんという子とのお話となります。
トイレの花澤51

トイレの花澤6
pixivに、冒頭サンプルを置いておきます。コチラです。
よろしくおねがいします!
あと、4月号の読者プレゼントに、色紙を三枚用意させていただきました。
今作含めた私の作品のヒロインがおっぱい出してる絵をアナログでシコシコ描きました。
くわしくはコチラで!
http://angelweb.jp/blog/?p=10550
よろしくおねがいします。
 

こんにちは。
さて、合同誌(アンソロと言うほうがなじみかもしれませんが)を主催した経験を基にした備忘録、最後の第三弾となります。
今回は、告知作業、宣伝作業、サンプル作成等についてです。
合同誌はコチラ!→ソリコレ~艦娘剃毛合同~のお知らせ C89

【宣伝という行為】

合同誌は、企画立案~寄稿者募集~頒布(~委託販売)の全ての段階において
適切な告知をせねばならない。
宣伝をするというのは、発表した自作品に対して一定の責任を持つことであり、
つまりは自分の作家性に対して責任を持つということであり、
さらには寄稿して下さった方々に対して一定の責任を持つことであり、
そして作品を購読して下さった読者の皆様に対して一定の責任を持つことを意味する。
個人作品の場合でも事情は大体同じではあるのだが、合同誌は「寄稿者への責任を背負う」点でちょっと意味が異なってくる。ここは腹をくくって堂々と、粛々と、やるのがいいと思う。
宣伝を敢えて控える場合も、宣伝効果を狙っての行動であるべきだ。あくまでベクトルは「宣伝する方向」に向いている。

【合同誌製作フローチャート】

そもそも、合同誌企画というのは広報行為・宣伝行為と切っても切り離せないものなので、
折角の機会で企画立案からのフローチャートを用意してみた。
さて、皆様がイメージされる合同誌企画の進行はこのようなものではないでしょうか。
フロー1
……何かそれらしいように見える。
だが、作業の具体的なあり方を想定してみると、最初の時点で凄まじい欠陥があることに、気づかれる。
「執筆者を募集」「寄稿者が集まってくれる」の箇所。ここだ。
これ、本当だろうか。
「人が集まらない」というビジョンは易々と目に浮かぶし、「来て欲しい人が集まらない」だとか「特に面識のない人から寄稿の申し出をされる」場合もある。
実際のところは、合同誌企画の大半は、告知に至る前にこんな過程を経ている。
フロー2
構想した時点で、「知人の作家さんに裏で声をかけて打診してみる」ということを、やるのだ。
それで、望みの作家さんが集まれば、そのまま執筆に入っていく。
また、「この企画は大きくできる気がする!もっと分厚い本にしたい!」などと主催側が意志したならば、
「現状こういう執筆者がいます」と告知しながら好きな作家さんに内々に打診したり、公に募っていく。
(……ちなみに、合同誌企画は「大きくすればいい」というものでは決してなく、むしろ大きいほど様々なリスクを伴う、ということは念頭に置くべきことだ。
主催する側として、自分の目的をしっかり見定めておかねばならない。
今回私は「大好きな作家さんと同じ本に載る(結果的に本は大きくなる)」ことを目的の一つとして設定したので、それに関連するリスクも引き受けた形になる。この目的設定とリスクを踏まえておかないと、後々不幸を招く。
あと、今回の「剃毛合同」の場合、好きな作家さんであっても「この方、剃毛を描かれるのであろうか……」と遠慮して声をかけるのを控えてしまう事態も何度も発生した。)

話を戻すに、上のフローチャートを見ると、告知や宣伝のタイミングが幾つかあることが分かる。
1・執筆者募集
……これは、上述のように「企画が成立しそうで、更に膨らませたい」場合にのみ必要性が生じる告知行動。
内々で済ませたい時ならば不要だし、企画が成立するか分からない段階で募集をかけてしまうのは失策
2・イベント前の宣伝
3・イベント後の宣伝
この二つは以下に述べていく。

(追記)☆「そもそも知人の作家さんがいない!」という時


同人活動というのは同好の士の繋がりで出来ているものなので(これは同人に限らず、作品を公開している人全般に当てはまることだと思うのだが)
作品を作る側にいるならば、憧れる作家互いに尊敬できる作家問題意識を共有する親しい作家人格的に信頼の置ける作家という繋がりは自然と出来てくるものである。
そもそも、こういう繋がりから、合同誌企画というものも自然と思い立つことになるのだろう。
人との繋がりというものをまず考える。そして、繋がろうとするなら、自分に何が出来るかを考える。こういうところから物事は始まっていくのだと思う。(あ、考えたら広報ってそもそも「人との繋がりを作ること」だった。)
……そういう意味では、私はあまり合同誌企画に向いている人間ではないのだ。「他の作家さんに積極的に繋がりに行くことが苦手」だから。だがこういう、繋がりを作ることへの苦手意識は、作家としての自分の成長を決定的なところで阻害して閉じ込めてしまうと近頃気づいたので、改めていきたいと思う。島村卯月、頑張ります!

【イベント前告知】

イベント前の告知は責任を持って入念にやる。ツイッター、ピクシブ、HP、ブログなど、可能な媒体を連動させて行いたい。
あくまで私の考えでは、
「頒布イベントの二週間前」「通販予約開始時」にガッチリ宣伝し、
「イベント直近」に、これまでと違うスクリーンショットを使った毛色の違う告知を行って宣伝に目新しさを与える
といったやり方が良いように思われる。
イベント直近というのは、新刊情報が過密化して以前チェックしていた筈のものも忘れ去られ易いので、新規に宣伝するのは良いことだと思われる。

☆サンプルページの選定基準
さて、宣伝や通販委託では、宣伝担当者は本誌よりスクリーンショットないしサンプルページを選定しなければならない。
サンプルページを作る場合、皆様は本誌からどこを抜き出しますか?(とりあえず成年向けとして)
1・冒頭、導入部分
2・サンプルでオチを見せてはいけないので、オチに向けて物語が盛り上がっていく部分
3・オチ含めて作中で一番エロくてそそる箇所

……色々な戦略があるとは思うので一概には言えないことなのだが、
私は当初は「」だと思っていた。
だが、冬コミを終えた今の時点では、私は決然として「」を選ぶ。オチだろうが構わず3を選ぶ。
また、長い話かつ冒頭が面白い話の場合(冒頭が面白くない作品ってのもタイガイだが)、冒頭をたっぷり数ページ、もしくは十数ページ、ピクシブ等で先行公開してしまうという宣伝の仕方もある。続きが読みたくなる「そそる」話ならば宣伝になる。度胸あるよね。でも、多い。
また、「最初から一部のページをサンプルページにするように見越して漫画を構想する」という人もいる様子だ。
「全身これサンプル」みたいな、どのページを切り出しても魅力にあふれている作家さんもいる。これはもう怪物作家なので参考にならない。
こういうこと、私は全然分かってなかった。が、今わかったので、今後は努力する。

☆表紙はどうしよう
表紙の出来というのが本の魅力を決定するといっても過言ではないので、
表紙に関しては困った。絵を作ってしまっていたので、ロゴでどうにかするという方策で色んな作家先生のご助言を受けながら手を加えた。
表紙デザインに関しては、表紙製作を受け持つ人は覚悟して勉強しまくるのがいいと思う。
勉強法とは…
売れ筋の漫画や同人誌の表紙を見て見て見て模写して模写して模写して分析して分析して分析して取り入れて取り入れて取り入れて試作して試作して試作して試行錯誤して試行錯誤して試行錯誤して信頼の置ける作家さんやデザイナーさんの判断を仰いで仰いで仰ぐ。
やろう。
あと、表紙を主催者が担当せねばならない理由はないので、参加者の誰かに前もって依頼してしまうのも手なのだろう。ですよね。今回は私の引き受け性が出て、私で描いてしまった。

【イベント後告知】

頒布イベントが終わっても、当然告知は継続する。
何度も言うが、宣伝というのは自分への責任行為であり、のみならず寄稿者への、更には本を買って下さった全ての方への責任行為でもあるので、物怖じせずにやる。謙遜して遠慮するのはこのような方々全員への背信行為になると思ってもいいと思う。
先ず、合同誌の主催者は合同誌の読者でもあるので、寄稿された作品全てに対して感想を述べて拡散するくらいのことはする。当然する。 感想というのは寄稿者への最大の返礼であるからだ。
折角なのでその時のログをまとめておいた→「ソリコレ~艦娘剃毛合同セルフ感想メント行為」まとめ
今後もし私が合同誌に寄稿する側になった場合は、一寄稿者の立場からでも多分このように感想を送ると思う。一寄稿者もまた合同誌の読者だからだ。 
そして、本を読みながら、また色々な方のご感想を集めながら、本に新たな魅力や切り口が与えられたと気づいたら、それもまた広めていく。
(例えば「剃毛合同」なのだが、ここでの私の作品は堂々たる霧島まんがであり榛名霧島である。サンプルはここ
金剛型姉妹クラスタの方には是非お手にとって頂きたいのである。あと、いつもの日向が出てくるので、伊勢日向まんががお好きの方にも是非お手にとって頂きたいのである。) 
twitterをこまめに検索し、本を喜んでくださった御反応があれば、それも感謝しつつ物怖じせず拡散する。
「その本を楽しんでいる人がいる」というのは、その本を手に取る上での最高の力になるからだ

このような仕方で、適宜宣伝を行いつつ、行き渡るべき人に本が行き渡るようにこまめに配慮する。
これが、主催側として引き受けるべき事柄だと思う。

……

以上、合同誌の主催として経験したことや反省点を長々と書いてまいりました。 
今後、合同誌の企画を考えている方や合同誌への寄稿を考えている方の参考になれば幸いです。
また、何かご意見等ございますれば、是非お寄せ下さい。
拙文、失礼しました。 

こんにちは。
合同誌(アンソロと言うほうがなじみかもしれませんが)を主催した経験を基にした備忘録、その2です。
今回は、原稿募集と編集作業の具体的な作業内容についてです。
前回の合同誌コラムはこちら→【とくべつコラム】合同誌を作る その1~企画編~
合同誌はコチラ!→ソリコレ~艦娘剃毛合同~のお知らせ C89

【合同誌の原稿募集の際に必要な提示情報】

何よりも、「執筆者が安心して原稿作成に取りかかれるように、具体的なことは極力丁寧に提示しておく」という姿勢が重要だ。
そして、大体次のことを提示すれば安全だと思う。
・テーマ
当然、提示すべき。ジャンル・キャラ・エピソード、指定条件がある筈なので。剃毛とか、エロとかギャグとか。
・目指す頒布イベント
次のコミケ、とか。
・締切
自分自身の原稿との兼ね合いや、編集の労苦を考えると、印刷所への提出期限の2~4週間前くらい、かなり余裕を持って設定したほうが絶対にいいと思う。締切が前倒しになると、参加者としても原稿を作成し易いように思うんだが、どうだろう。
・サイズ、規格
一般的な同人誌サイズ(B5)の白黒原稿だと、B5、右綴じ、モノクロかグレースケールで解像度600dpi、というのがよくある規格だと思われる。近頃はコミックスタジオ・クリップスタジオの使用者が多いおかげで、基準線の位置などが大体テンプレ化しているのでそのまま使えてありがたい。
カラー原稿となると、解像度350dpiが一般的な様子だ。
・一人あたり何ページ単位で担当して欲しいか
1Pイラストから参加可能という場合もあれば、最低2Pだとか最低8Pだとか、色々あると思われる。
・ページは右始まりか左始まりか
スクショ4
本に作品を寄稿する側としては、自分の作品が左ページから始まるのか右ページから始まるのかというのは重大関心事になる
1P分のイラストの場合でも、後述するように「自分の絵は本の右か左か」「どっちが断ち切り側でどっちがノドなのか」が分かっているかいないかで作り方が変わってくるし、「未定」の場合は「どっちになってもいい」ようにイラストを作らなければならない訳だ。
ちなみに、一般的な漫画雑誌では基本が左ページ始まりだが、今回の剃毛合同では右ページ始まりとした。
2Pで参加される方が多かったので、見開き単位で作品を表現して頂きたかったのだ。
参加者一人当たりの担当ページが多い場合は、左ページ開始が一般的になると思われる。
・性表現に関する指示
本が全年齢向けか成年向けかというのは重要なこと。
また、一定の性的表現(猟奇だとか、児童系だとか)を禁じるなど、レギュレーションを作っておくべきケースもある。
・返礼
やはり最初に提示しておくべき事柄だと思う。献本だけなのか、原稿料が生じるのか、とか。
・予定参加者
これを知らされるとプレッシャーが生まれて、いいよね。
・予定している印刷所
これを提示するケースをよく見かけるけど、何だろうこれ。印刷所によって色の出方が違うから知らせておきたい、ってことなのかな。
(追記!)
これに関してはyashaさんより次のようなご指摘を頂戴しました。感謝です!
印刷所の提示は、各印刷所によって原稿サイズが異なる場合があったり
(入稿サイズがB5+断ち切りのみでOKである場合もあれば、B5原稿でもA4サイズ入稿が必要な場合がある)
原稿のテンプレートが各印刷所のHPにあったりするので、原稿作成の基準として重要な情報になる

とのことです。
僕の場合は全部A4に再編集してチェックし入稿していたので問題なかったかもしれませんが、
「貰った原稿に手を加えずに配置して入稿する」ような主催形態だと、寄稿者での規格統一が必須になるでしょう。(実際は手を加えないことなどないとは思うのだが。)この旨も、主催側は寄稿者に予め伝えるべきかもしれない。

【原稿を作る際は】

一般的に、B5の本の原稿を作る際は、一回り大きいA4の用紙を用意して、描く。
サンプル02
時々、B5サイズの原稿募集に対してB5きっかりサイズの原稿を提出するケースがあるみたいだが、
実害云々抜きにして主催側が「あっこの人、原稿作成経験値がねえ」と一気に不安になるので、よろしくない気がする。

☆白黒?グレースケール?

原稿を白黒で描くか、グレースケールで描くかというのは、作家の作風で変わるし、原稿作成に不慣れな方は結構悩むことな気がする。
幾つか良し悪しがある様子だ。
・白黒原稿…クッキリして漫画的になる。基本のトーン線数は60ないし70の人を多く見かける。
原稿を拡大しながら作業すると、線がカクカクしていて「なんかキレイじゃねえな」と不安になるかもしれないが、印刷するとちゃんと繊細に出る。
・グレースケール原稿…濃淡の微細な表現が効くので、イラスト原稿の人はこっちを選ぶ印象が強い。
ただ、印刷所によってはグレーがすごく濃く出てしまったりすることがあるらしいので、そのリスクは念頭に置いておくべきなのかも。

【原稿チェック】

原稿チェックには数段階がある。
ここで、本の完成度を高める為に編集側は手を尽くさなければならない。
明らかな不備のあるページがあると、それが本全体の価値を下げてしまうのだ。
編集側で、出来ることは全部やる。少なくとも私はそういう心構えで臨んだ。その結果、以下のような作業過程が生じた。

チェックその1・仕様チェック

原稿が適切な仕様であるかを、ページに組み込みながら判定していく。
時たま、原稿サイズが違っていたり解像度が350dpiになっていたりするケースがあるので、そういう際は差し返して修正を要求する。
また、原稿に明らかな誤植、汚れなどが確認できた場合も、執筆者に問い合わせる。
そして、一番難儀したのが、これだ。
以下の編集作業は実際僕がやった事柄だ。
例えばこういう「右ページ配置の」原稿が来たとする。
サンプル1o
「まんがになりたい子」という漫画を今書き下ろした。
何かすごくまずい気がするの、わかりますか。
わかりやすくするために、基本線を表示してみましょう。
サンプル1
青色が基本線です。この原稿をそのまま本にしてしまうと、どうなるか。
クリスタの製本3Dイメージビューアで見てみます。
スクショ1

左端のセリフが読めない!左端の女の子の顔や手が見えづらい!
これだと、本の質を下げてしまう「こんな読みづらい原稿を放置するような奴が編集している本なのか」と判断されるからだ
さて、本には「綴じている側」というものがあって、そちらに食い込んだ領域に、絵、文字、書き文字、漫符があると、読みづらくなる。この領域をノドと言う。
ノドを、さっきの原稿で表示してみるとこうなる。
サンプル12
緑の領域:断ち切られる場所。赤い領域:ノド。
したがって、編集する立場として私は、原稿をこんな感じで可能な限り切り張りして、絵や文字を動かしていった。
サンプル2
……ノドの部分に絵や文字が入っていないでしょう。
これ、どこを変えたかわかりますか。
サンプル22
かなり細かく手を加えている。2コマ目は、文字を詰める為に文字全体を上にずらし、行を一つ詰め、それにあわせて噴出しの形も変えた。
3コマ目も、左の女の子をズラすために、連動して下の女の子もズラし、そうすると真ん中の噴出しの文字と衝突してしまうので、噴出しの大きさも文字の位置もいじっている。
こうすると、本にした時に、こう見える。
スクショ2
読みやすくなった。
修正がこっちの力ではどうしようもなく及ばない場合、執筆者に差し戻して、スクリーンショットに赤線などで指示し、修正を要求することになる。(こういうケースも勿論あった。)
……
こういう、編集側の修正の手間を省くためにも、寄稿者側は、原稿作成時にこんな感じのことを意識しておくと良い気がする。
サンプル3
スクショ3
本にしても読みやすい!ヤッタネ!
……ちなみに、上のような修正を私は剃毛合同で実際に数件、行った。
このことをある作家先生に言ったところ、苦笑いされてしまった。つまり、「親切すぎる」という奴なのだった。
だが、本のクオリティを高める為にはやるべきことだと私は判断した。編集作業というのは大変なのだ。

チェックその2・トーンチェック

寄稿者の原稿を集めてチェックしながら、原稿のトーン部分を確認する。
このチェックは厄介で、漫画作成・印刷の経験の浅い方の原稿を受け取る場合、しばしばこういうことが起きる。
下記はその一例。
スクショ5
原稿を拡大してトーン部分を見てみたら、こういうトーン処理がされていたとする。
つまり、「トーンがグレー」なのである。
これが不味い。
印刷すると汚くなってしまう(「モワレ」が出てしまう)のだ。そのような作品が、本全体のクオリティを下げてしまう。
どういうソフトでどういう描き方をすればこういう状況を招いてしまうのか私は正直わからない。
こういう場合は原稿を即座に差し戻して修正を請う形になる。編集側では対処できないからだ
寄稿をしたいという方は、ここは本当に本当に注意せねばならない。というか、知っていなければならない
影サンプル完成

1がダメな例。
2はオーソドックスなトーン白黒原稿。適正。
3はグレースケールで塗ってトーン化する白黒原稿。適正。かなり多いと思う。
4はグレースケール原稿。これも上述したようにリスクはあるけれど適正。
2、3、4の形になるように、原稿を作ることを心がけたい。
……なお、このチェックは、モニター上では難しいが、プリントアウトすれば問題を容易に発見出来る。本来ならば全ページをプリントアウトしてチェックしたいところだ。
但し、頂いた原稿をいちいちプリントアウトしてチェックするというのは凄まじい手間なのだ
この手間を編集者に負わせない為にも、寄稿者側が徹底的に意識するべき事柄だと私は思う。

チェックその3・局部修正

これも、参加するイベントの基準に合わせて入念に行う。
印刷所によっては(今回は「ねこのしっぽ」社さんにお願いした)、入稿後に印刷所で再チェックして修正を入れてくれる場合もあるが、印刷所側のチェックに期待して甘えるのは良いことではない。
そもそも全ての印刷所でチェックしてくれるならイベント当日での停止処分なんて一件も起こるはずがないのだ。
責任を持って頒布できるように、頑張らないといけない。

☆原稿締切を早めなければいけない理由

合同誌の原稿締切を、印刷所への入稿よりもずっと早めなければいけない理由というのは、
まさにこの「編集・チェックからの差し戻し」に時間がかかることにある。
主催者も寄稿者も会社員である場合、 「編集側がチェックして寄稿者へ連絡」「それを受け取って寄稿者側が修正し再提出」「編集側が原稿を受け取り、再チェック」(修正が足りていない場合、これを繰り返す
このやりとりにいちいち莫大なタイムラグが発生するのである。
これが締切直前だと、主催者も寄稿者も「もうムリだ、このままでいいや」とならざるを得ない。
不満足な原稿を入稿し製本し頒布するのは、関係する人間に様々な感情を与えることになる

主催者読者に負い目を持つ。
主催者寄稿者に怒りを持つ。
寄稿者主催者に負い目を持つ。
主催者寄稿者も、他の寄稿者に負い目を持つ。
 

……この責任、早々負い切れるものではない。下手をすれば人間関係の傷になることさえある。
だから、寄稿者側スケジュール管理原稿品質管理を可能な限り徹底すべきであり、
主催者側も、寄稿者側にスケジュール管理原稿品質管理適宜指示して行くことが求められるのである。締切一ヶ月前や一週間前などに、主催者は寄稿者に「原稿はいかがですか」とメッセージを飛ばしていくことになる。
共同作業というものが持つ意味」というのは常に考えないといけない、と、しみじみ思う。責任を持たなければ楽しいものにはならないって奴なのだ。

(追記)
☆それでもその人を誘いたい

編集作業のあれこれを語っていると、こういう疑問も出てくるだろう。
漫画原稿作成に不慣れな人には最初から声をかけなければいいのではないか」と。
実際、漫画作成にも合同誌寄稿にも慣れている作家同士の合同誌であれば、そして局部修正不要の全年齢本であれば、編集チェックの労苦は極限まで削減されるだろう。
だが、現実問題として、様々な理由と意味合いから、こういう編集労苦は起きるし、その労苦は引き受けねばならない
というのも、
それでもその人を誘いたいからだ。そして、その人の原稿を本に納めたい、のだ。その人の作品が好きだから
現代は特にそうだが、絵や作品の発表形態は必ずしも漫画とは限らない
ネット上で、魅力的なイラスト、カラーイラストやコミック作品を発表している作家さんで、製本経験や漫画原稿作成経験があまり無いという方は当然いるし、多い筈だ。
そういう方を本に招ける喜びというのは、主催・編集側としては凄く大きいのだ
この喜びが、編集労苦を完全に帳消しにしている
そして、このような機会と経験をもとに、その方がご自身で同人誌等を出されていくことになるとしたら、それは至上の喜びなのである。
上の編集の手間暇に関する記事が、本媒体への原稿を作ることへの垣根を下げることへとつながるなら、
そして漫画畑でない作家さんが本媒体に積極的に参加されることに少しでも寄与できるならば、有難い。
 
【台割(各原稿の配置)】

さて、編集者は、寄稿していただいた原稿をチェックしながら、本に配置していくことになる。 
その際も色々考える。
本の性質や編集者の意図によって、配置の仕方には様々な基準が生まれると思われる。

・「とりあえず知名度・クオリティの高い作品を前へ前へと詰めていき、読者を喜ばせる」
・「読者が読んでいて疲れないように、濃密な作品と読み易い作品とを、エロとハートフルとを、交互に配置する」
・「キャラやネタが被った時は両作品の配置を離す」 
・「原稿が集まった順に前から配置する」 

様々な考え方がある。正解もないし最善手もない世界なので、出した後に後悔は避けることが出来ないんだが、それでも編集側は手を尽くしたほうがいいと思う。

さて、長々とした合同誌コラム、次回の最終章は、広報、宣伝編となります。
 
 【とくべつコラム】合同誌を作る その3~広報編~

↑このページのトップヘ