ビフィダス牧場

サークルyogurt、ビフィダスの活動報告場です

私は今年21歳になるヤングマンで、確定申告とか役所の事柄を全然知らずに生きてきたのだが、
今回はじめてこれをやってみたというお話です。
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年明けの同人作家が耳にして胸を痛めるワードの一つが確定申告だと思う。
複雑そうだとか、手抜かりがあったら怒られそうとか、その割にはサボってもバレなさそうとか、そういう印象ばかりが先行する。
かく言う私は、これまで同人の売り上げなんてタカが知れていたので確定申告なんて無縁の話だと思っていたのだが、
商業デビューしたり壁サークルになったりで、今年はそうも言ってられなくなったので、知人の作家さんやネットや本の助けを借りつつ、やってみた。
そしたら、すっごくラクだったし楽しかった。

以下の話は、自分が経験したことを自分が理解した限りで語る話になるので、
これが唯一の正解という訳ではないのでしょうが、
今後、確定申告を考える皆様の御一助になればと思います。

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●確定申告とは
細かいことは知らないが、つまりは国に払うべきお金をちゃんと払う手続きということだ。
働いている人が国に税金を納めることで国が豊かになり、そのお金で国が良くなったり困窮した人が助かったりする、それが税金のシステムなので、払えるときには払っておきたいというのが人情だ。
で、サラリマンとかだと税金が会社の方で自動的に差し引かれるので問題ないのだが、
そういった課金処理済みのお給金以外に「一定以上たっぷりした」儲けがあったりすると、国としては「この人からはお金もうちょっと欲しいなあ」と思う、という訳なのだろう。

●なぜ、確定申告を僕らがわざわざやらないといけないのか

イベント収入を含めた個人の儲けを国がいちいち監視するシステムなんて考えるだけでも煩わしい(硬貨や紙幣に発信機でも付けるのだろうか)ので、そこは我々の方で国のお仕事を助けてあげる、ってのがクレバーな社会体制と言える。
儲け云々の数値はこっちで用意して申告する。で、我々は、国にいざ求められた時に「はい、収入と諸経費はこうなってますよ」ってことを証明できるように、書類(領収書とかね)を数年間保管する義務があるという訳なのだな。
問題は「じゃあ国はいつ我々の領収書の束を確認するのか」であるが……当然、爺さん婆さんが行列を作る確定申告の提出会場でいちいち来場者の領収書の束を確認なんぞしたくはない。
僕らは確定申告ではあくまで「計算結果を提示するだけでいい。領収書は確定申告会場には持っていかない。「いざという時の調査に備えて、保管する」だけです。
よく、「コミケの壁とかになったサークルは『この方はたっぷり儲けている、ならば税金をぜひ頂戴したい』と税務署に認識されて、印刷所への入金(そこから発行数と売り上げが想定できる訳だな)とか確定申告とかをチェックされて、申告をサボってたり申告内容が怪しいと数年後に税務署員が自宅にやってくるってことを聞くけど、実際、税収調査のタイミングはそういうところなんだと思う。
ブログ絵1


●確定申告の前にやっておきたいこと~領収書集めと家計簿づくり~
さて、確定申告に必要なのは
どれだけ稼いだか」と「それを稼ぐのにどれだけの経費を使ったか」の情報だ。
従って、お金を使ったことを証明する文書やレシート、領収書は取っておきたい。
1月1日から12月31日までの収入と経費が分かればいい。
・「何月何日に、何を買ったか」がはっきりわかればいい。
・正式な領収書でもレシートでもいいし、その際には印字が消えた時に困らないように「文房具代」みたいに書き付けておくといいみたい。
・イベント費用などに関しては「入金確認メールのプリントアウト」とかも証明能力がある、と思う。

●家計簿を作ろう
大体2月になると、作家は一年分貯めた領収書の束や預金通帳をめくりながら、自分の収入と経費を家計簿にちまちま書いていく。ネット上にソフトは沢山ある。今回使ったのはうきうき家計簿
レシートの年月日とその内容と金額をポコポコ入れていく。とっても楽しい。
家計簿

●経費の項目はこんな風に分けよう(申告の時にクッソ便利)

・水道光熱費…同人作家でデジタル作画の場合、電気代だけチェックすればOK。水道やガスは無関係。(確定申告の際は、この電気代の70%くらいが申告材料になる。「事業に使う電気の割合はこんくらいだよね」と判断されてるそうだ。ファジー。)
・旅費交通費…イベント参加とかで使った電車代、タクシー代、宿泊費全部。漫画家の場合、「旅行は漫画のための取材」と考えると旅費全部入れてもいい気がするんだな。
・通信費…ネット代とか携帯代とか。(これも、確定申告の際は70%だとか50%だとかの数値にして申告する。全部が全部、事業のために使っている訳ではないからだ。ファジー。)
・接待交際費…複数人で外食した費用とかのレシートがあれば。個人の飲食費はNGらしい。
・消耗品費…パソコン用品だとか文具だとか。重要だよね。
【資料代】…まんが、DVD、ゲーム、映画鑑賞、フィギュア、おもちゃ代などが、作画資料として全部ここに入る。(ソシャゲの課金ってここに入るのかな?あ、これ興味深い!教えて!
【印刷費等】…ウスイホンの印刷費とイベント参加費はここに。これが同人作家の経費の最大ウェイトになる
・雑費…振り込みとかの各種手数料は全部ここに。預金通帳の「手数料」欄の意義をここで知った。
(追記)・地代家賃…つまり家賃。これがある人は是非計上したい。(これも確定申告の際は使用実態に合わせて70%とか20%とかファジーな数値にする。税収調査の際に「この適正数値は○%なんじゃないですか」とか指摘されたりするそうな。)
●収入の項目は
・「雑収入」なり「事業収入」なり「その他収入」なりといった項目で、同人の売り上げ、書店委託振込み金、エンジェル倶楽部さんの原稿料を全部入れた。銀行入金日を日付としている。

…項目分けをこのようにしておくと、これが確定申告の資料に丸々使える。very便利。
各項目の「年間総計」がわかるように一覧をプリントアウトし、税務署に持っていこう。

…ここまで、前座です。
ここから、税務署での、確定申告の作業です。
ブログ絵2

●確定申告作成所でいきなり言われたこと。
税務署職員さん「……雑収入、多いね」
私「ハイ」
職員「これ、事業にしよう。申告書Bにしよう。(申告書Aは給与+雑収入、申告書Bは給与+事業収入みたいになってる)
  雑収入ってのはアルバイトみたいなものを言うから。」
私「はあ。AとBで何か違いがあるのですか」
職員「事業にすると~~~~(説明を受けたが忘れた)」
私「アッハイ」
職員「じゃああっちのコーナーの税理士さんのところに行って下さい」
私「ハイ」

いくつか。

●確定申告の書類で「業種名」を書くのが恥ずかしいです。「漫画家」とか書くんですか?
→「文筆業」とか「フリー出版業」とかでいいです。
●「屋号を書け」という欄があるんですが、ペンネーム書くんですか?
「書かないでいいよ」と言われた。
●同人作家ってこと、バレませんか?
目の前の税務署職員さんや税理士さんには全然バレない
●「エンジェル出版」って文字が見えるのちょっと恥ずかしいかも。
気にもとめられてない

●確定申告で一番じゅうような書類とは
確定申告の資料は全部、国税庁のHPからPDFで落とせる。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/02.htm
プリントアウトして使える。でも現地でも係員さんとの会話の中で用意してもらえる。
さて、これだけズラッとあって、じゃあ作家として「どれが一番じゅうような書類なのか」というのは気になるところですが……
 【収支内訳書(一般用)】
これです。 
 確定申告内訳書1
今回の僕の税務署での手続きも、ほぼこれを書くことだけで済みました。
なんか複雑に見える。こわい。おそろしげだ。
だが、実際に書く場所は、実はこれだけです。(正確な内容かどうかわからないので間違いがあったらご指摘下さいませ。)
それも9割が「プリントアウトして持ってきた家計簿の書き写し」です。らくだ。
確定申告内訳書内容

一番左上「売上金額」には、同人・まんが事業の売り上げの総計をポンと入れる。 その3つ下の欄は総計なので、同じ金額を書き写す。
一番下、「水道光熱費」は、家計簿につけた電気代の年間総計に、70%とかの数字を掛けて書き込む。
右に移って、
「旅費交通費」は書き写す。
「通信費」は…
今回、通信費を一切計上せずに(忘れてた)税務署に行き、申告そうだんコーナーの税理士さんに見せたところ、フランクにこう言われた。
通信費は?ネットや携帯でいくら使ってる?
「あ、しまった忘れてました、領収書も今持ってないです」
だいたいでいいよ、月一万五千円とか?
「え、えーと、どれくらいなんですか?一万円とか?」
それは安すぎるなあ
「じゃあ一万五千円で」
何割くらい事業の為に使ってる?7割とか?
「え、ど、どういうことですか?」
事業の為にどれくらいの割合で使ってるのかの目安だよ
「えーと、わかりません」
……(沈黙)
「じゃあ7割で」
はいはい、じゃあ一万五千円を12ヶ月分で掛けて0.7掛けて、126000円を「通信費」のところに書いて
「アッハイ」
このようなやり取りをした。床屋の会話のような受動性だが、つまり、申告とはそういうものなのだ
次いで、「接待交際費」、「消耗品」も書く。
「福利厚生費」の下の空欄に、
「資料代」
「印刷費」
という欄を手書きで書き入れ、そこに費用も書き入れた。
「雑費」に関しては…
税理士さん「この雑費って何?」
私「銀行振り込みの手数料です」
税理士さん「なるほど」
これで済んだ。 
最後に、経費の小計を計算する。
そして、収入総額から経費を引いた「所得金額」を書く。
……この数字を見ると、「あっ結構減った」とか思うものだが、実際はここで差し引かれている諸経費は「損」どころか人生を豊かにするために使われてきたものだ、というのは心に留めておきたい。

その後、税理士さんが言った。
今年は白色申告で申請するけど、次は青色申告にしましょう
「はあ」
青色申告の講習会があるから。申請書書いておきます。
「青色にするとなにか違いがあるんですか?」
事業届を出すのと、会計ソフト(やよいとか)が要るけど、控除が65万円になるよ
「へえ(よくわからん)」
(こまけーことは知らないが、今じゃ白色申告と青色申告で手間がそんな変わらないらしい。ただ、ある作家さんに聞いた話だと、年収二千万を超えると青色申告の手間がすっごく厳しくなるらしい。
そうして、私は「内訳書」を持って「確定申告書類用意コーナー」に回された。

●あとはオートメーション
さて、そこから、税務署員さんの手引きで次々と書類に数字を記載していく(時間かからない)。
必要なもの
・本業の源泉徴収票。僕は本業があるのだ。
・エンジェル出版さんからの源泉徴収票。一年分の入金と源泉徴収が書かれている。年始に送られてきたのだ。
・生命保険に入っていたのでそれ関係の封筒丸々渡したら職員さんが勝手に切り張りしてくれた。
(地震保険とかに加入してるかも聞かれた。加入者は必要になるのだろう。
 あと、「10万円以上の機材の購入はありますか?」とも聞かれたので、これも何かあるのだろう。減価償却費に関係して、10万円までの金額を控除、みたいなのがあるそうな。私は無かった。)
それを、職員さんがホッチキスでバチバチと台紙につなぎとめていく。
そしたら、おとなりのEtaxコーナー(備え付けのパソコンであれこれ数字を打ち込む)に誘導され、職員さんの案内に従って数字をペコペコ写していく。

そしたら、課税額が計算された。画面にウン万円という数字が書かれている。
職員さんが「今度振り込むか引き落としにして下さい」と言う。
これが、僕が今の力で国に課金できる正当な金額なのか……と、ちょっとしみじみした。
その後、プリントアウトコーナーに回されて、むにゃむにゃとプリントアウトされた書類を、緑色のポストみたいな提出箱にポイッと入れた。 


こうして、僕の確定申告初体験は終わったのであった。 

ものすごくカンタンだった
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●税金を払うということ。
人生に虚無を感じるタイミングというのは時たまある。
社会の役に立ちたい、社会の皆に認められたい。
でもその手ごたえが得られない。周囲がうらやましい。
そういうメンタルの時、人はしばしばムチャクチャな金遣いをする。
バカみたいに酒や料理を注文して店の人にいい顔をする。
旅行へ行って金を使いまくる。
誰かに貢ぐ。
アイドルのCDをムチャクチャに買えばアイドルは喜んでくれるし、「自分の金が経済を回した、社会を回した」という実感が得られる。
課金というのは、そういう意味で何か「スカッとする」ものがあるのだ。
今回、私は国に正当な課金をして、かなりスカッとした。悪い気持ちじゃあなかった。

●年金
今の税金とか年金とかのシステムは、「低所得者にとっては物凄くありがたい」ように出来ている。年配、若者問わず。控除がけっこうすごいのだ。
問題は、それを知らないでいると、結局その恩恵にあずかることができなくなるということだ。例えば年金とか。つまらない手間を惜しんだせいですさまじい金を年金にむしられた、なんてことを時たま耳にする。
知らないと損、なのだ。
そして、国というのは、「知」を授ける点に関しては恐ろしく受動的だ。求めなければ授けてくれない。
……
知を求めていく姿勢というのは、実は最大のセーフティーネットなのかもしれない。そう思う。
 

こんにちは。
エロ描く方のビフィダスが、今月末発売の『エンジェル倶楽部』4月号読者プレゼントにて、
手書き色紙三枚を担当いたしました。
読者プレゼントの応募方法は…巻末についているアンケート用紙(の宛名部分)に読者プレゼント応募欄がありますので、
それに希望の品(いろいろあって豪華)と宛先を記入してハガキに貼り付けてポストに投函するとそれが編集部に届いて、厳正な抽選の末に当選者に品物が届く、
的なものとなります。
色紙2

 今までエンジェル倶楽部さんに描いたまんがのヒロイン三人となりますね。
一番左が3月号の花澤さん。便所でばっかりエッチする清楚純情変態です。 なんてこった。
真ん中が1月号よりアオイ先輩。 二郎の食べ過ぎて太ってしまった上に調教されます。なんてこった。
一番右が、デビュー作となる11月号の原田さん。 暴漢に襲われたトラウマからか、好きな相手に腹責めを求めるようになってしまったスポーティー無口女子です。なんてこった。

エンジェル倶楽部編集部通信でもご紹介いただいております。http://angelweb.jp/blog/?p=10550
慣れないアナログ、初めてのコピックで頑張って描いたよ!
エンジェル倶楽部4月号の情報はこちら!http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51518084.html

よろしくお願いいたします。

 

雑誌の編集さんとのやり取りの中で感動したことがあったので、それについて記したコラムです。

私が作品を掲載させていただいている『エンジェル倶楽部』誌さんには
アンケートというハイテック・システムがあり、
巻末についてるアンケートに感想を記入しハガキに貼り付けて街角のポストに投函すると
その意見が編集部に届いて雑誌運営の判断に加味されたり、ご感想が作家に届いたりする。 
作家という、暗闇の海を手探りで泳いで生きていかねばならない運命を背負った人々にとって、このアンケートは心から嬉しい栄養補給となり、また明日への羅針盤となる。
(雑誌によっては、このシステムがないんだそうだ!ある作家さんに「それ困りませんか?」と伺ったら「困る」と仰っていた。そりゃ困るよ。)
今回、このアンケートにまつわる、心底感心する経験をした。
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この度、エンクラ3月号(1月末発売だから今まだ書店にある)に「公衆便所の花澤さん」という作品を掲載させて頂いた。
トイレの花澤1
↑こういう作品。エッチだよ。詳細はリンクでどうぞ→http://yogurtbifidus.blog.jp/archives/53106505.html
電子書籍版もあるhttp://book.dmm.co.jp/detail/b450eagcl00855/
 先刻、そのアンケートの中間集計結果を編集さんより頂戴した。
(アンケートは中間集計と最終集計がある。なぜ集計タイミングが二つあるのかは知らないが、私の推測では、中間集計のタイミングと『その月末に出す本の校了時期』が重なっているので、中間集計の良し悪しが次号予告でのプッシュ度合とかに作用するんじゃないかと思っている。思っているだけ。中間と最終とで順位はわりと変動する。)
そして、その結果がかなりとても良かった。読者の皆様にご支持頂けたことが心から嬉しく、また感謝しております。励みになります。(多くの方々は僕のことを「なんかヘンなギャグを描いてるお絵かきマン」と思っていらっしゃると思うが、スケベマンガの方でもちゃんとやっているのじゃぞい。)

その時、私の編集さんが電話口でこういう言い方をされていた。

「着々とファンを掴んでいるので、よい傾向です」
「掲載ごとに実力がついているので、よい傾向です」 

……この言い方が何を意味するのか、編集さんとの会話の最中は殆ど理解しなかったが、
電話を切った後に暫く考えていて、恐ろしいことに気が付いた。

編集さんは「人気ですね」という言い方を避けている
仮にそういう表現を口にしたとしても、話の力点はその都度「雑誌購読者の方の中にファンが増えているということ」「私の実力が向上していること」に置き直されている。

……わかりますか?

人気順位は、変動する。毎号ごとにフラフラ上下するし、上がれば下がる。
一位にでもなってしまえば、その後は「維持するか下がるか」しか「ない」。
センシティブな人であればそれで一喜一憂してしまう。漫画掲載という先の不透明な世界で、行く末に悲観的になったり、オタオタと方向転換を焦ったりしてしまう。
そもそも、「トップをとる」とかいった喜び自体が、麻薬と同じ「感情の前借り」 みたいな作用を持っている。喜びがでかいほど、反動として「次も維持できるのか?」というネットリとした不安が来るのである。そして次にトップをとっても同じ喜びは味わえないと来た。いよいよ麻薬めいている。
編集さんはそのことの無意味さを分かっているのだ。
というか、そのときの一喜一憂の乱高下が持つ悪影響を
だが、「獲得したファンの方々」は、そう乱高下しない。
ましてや「積み重ねた実力」は、決して下がらない。積み重なるのだから、どんどん増えていく。
編集さんは、そういう「乱高下しない指標」を、作家に与えて、そういう仕方で作家を励まし、元気付けているのだ。

……このことに気づいて私は卒倒しかけた。 

こういう、配慮に満ちた振る舞い、どうやって獲得するのだろう?どこから?
思うに、編集者という職業につくと、ほどなく「日本まんが編集者協会」みたいなとこから連絡が来て、どこかの広間に呼び出されて編集グランドマスターとかにレクチャーを受けるのだ。「人気は乱高下するから作家を人気で褒めるべからず、実力の有無とファンの有無で褒めるべし」「アッハイ」みたいに。
 
いつか暇が出来たら、編集部に取材に行きたい。そう思った。 
==
作品を世に問うことを生業にする、とは、
「自分の内面を世間に曝け出し、評価を仰いで生きる」という営為だ。 
つまり「人のことをそんなに気にしていちゃいけない、けど、ある程度は気にしなきゃいけない」という、どうにもスピリチュアルな営みなのである。
精神はふあんていになる。  
そして、商業をやってみて分かったのだが、漫画に、というか、「定期的に作品を提示しつつ自分のモチベーションを管理して生きていくこと」に、決まった方法論はない。
作家さんはその都度自分なりのやり方で「よさそうな手」を探り出し、同業の仲間たちと研究したり研鑽したりしながら、必死に泳いでいるのだ。(考えてみるとこれは大半の職業において、というか人生の大半の局面においてそうなのだが。ヴァレラとかマトゥラーナの生命システム論に「パイロットの比喩」ってあったろう。飛行機の操縦士は箱の中で必死こいてレバーとかを調整しているだけで、自分が上手くやってるのか否かは自分では全然わからない、という。あれだ。) 
作家のセルフコントロール、中長期的セルフコントロールというのは、「漫画を上手く描くこと」以上に重要なことなんじゃねーか、と、時々思う。まあまんが専門学校とかでは漫画描きながらこのセルフコントロールも暗黙裡に学ぶことになるのだろうけど。行ったことないから推測です。

五ヶ月連続登場となりますが(なんてこった)、
エロ描く方のビフィダスがエンジェル倶楽部3月号(1月30日発売)でマンガを掲載させて頂くことになりました。
タイトルは「公衆便所の花澤さん」。
公衆便所でばかりスケベをする花澤さんという子とのお話となります。
トイレの花澤51

トイレの花澤6
pixivに、冒頭サンプルを置いておきます。コチラです。
よろしくおねがいします!
あと、4月号の読者プレゼントに、色紙を三枚用意させていただきました。
今作含めた私の作品のヒロインがおっぱい出してる絵をアナログでシコシコ描きました。
くわしくはコチラで!
http://angelweb.jp/blog/?p=10550
よろしくおねがいします。
 

こんにちは。
さて、合同誌(アンソロと言うほうがなじみかもしれませんが)を主催した経験を基にした備忘録、最後の第三弾となります。
今回は、告知作業、宣伝作業、サンプル作成等についてです。
合同誌はコチラ!→ソリコレ~艦娘剃毛合同~のお知らせ C89

【宣伝という行為】

合同誌は、企画立案~寄稿者募集~頒布(~委託販売)の全ての段階において
適切な告知をせねばならない。
宣伝をするというのは、発表した自作品に対して一定の責任を持つことであり、
つまりは自分の作家性に対して責任を持つということであり、
さらには寄稿して下さった方々に対して一定の責任を持つことであり、
そして作品を購読して下さった読者の皆様に対して一定の責任を持つことを意味する。
個人作品の場合でも事情は大体同じではあるのだが、合同誌は「寄稿者への責任を背負う」点でちょっと意味が異なってくる。ここは腹をくくって堂々と、粛々と、やるのがいいと思う。
宣伝を敢えて控える場合も、宣伝効果を狙っての行動であるべきだ。あくまでベクトルは「宣伝する方向」に向いている。

【合同誌製作フローチャート】

そもそも、合同誌企画というのは広報行為・宣伝行為と切っても切り離せないものなので、
折角の機会で企画立案からのフローチャートを用意してみた。
さて、皆様がイメージされる合同誌企画の進行はこのようなものではないでしょうか。
フロー1
……何かそれらしいように見える。
だが、作業の具体的なあり方を想定してみると、最初の時点で凄まじい欠陥があることに、気づかれる。
「執筆者を募集」「寄稿者が集まってくれる」の箇所。ここだ。
これ、本当だろうか。
「人が集まらない」というビジョンは易々と目に浮かぶし、「来て欲しい人が集まらない」だとか「特に面識のない人から寄稿の申し出をされる」場合もある。
実際のところは、合同誌企画の大半は、告知に至る前にこんな過程を経ている。
フロー2
構想した時点で、「知人の作家さんに裏で声をかけて打診してみる」ということを、やるのだ。
それで、望みの作家さんが集まれば、そのまま執筆に入っていく。
また、「この企画は大きくできる気がする!もっと分厚い本にしたい!」などと主催側が意志したならば、
「現状こういう執筆者がいます」と告知しながら好きな作家さんに内々に打診したり、公に募っていく。
(……ちなみに、合同誌企画は「大きくすればいい」というものでは決してなく、むしろ大きいほど様々なリスクを伴う、ということは念頭に置くべきことだ。
主催する側として、自分の目的をしっかり見定めておかねばならない。
今回私は「大好きな作家さんと同じ本に載る(結果的に本は大きくなる)」ことを目的の一つとして設定したので、それに関連するリスクも引き受けた形になる。この目的設定とリスクを踏まえておかないと、後々不幸を招く。
あと、今回の「剃毛合同」の場合、好きな作家さんであっても「この方、剃毛を描かれるのであろうか……」と遠慮して声をかけるのを控えてしまう事態も何度も発生した。)

話を戻すに、上のフローチャートを見ると、告知や宣伝のタイミングが幾つかあることが分かる。
1・執筆者募集
……これは、上述のように「企画が成立しそうで、更に膨らませたい」場合にのみ必要性が生じる告知行動。
内々で済ませたい時ならば不要だし、企画が成立するか分からない段階で募集をかけてしまうのは失策
2・イベント前の宣伝
3・イベント後の宣伝
この二つは以下に述べていく。

(追記)☆「そもそも知人の作家さんがいない!」という時


同人活動というのは同好の士の繋がりで出来ているものなので(これは同人に限らず、作品を公開している人全般に当てはまることだと思うのだが)
作品を作る側にいるならば、憧れる作家互いに尊敬できる作家問題意識を共有する親しい作家人格的に信頼の置ける作家という繋がりは自然と出来てくるものである。
そもそも、こういう繋がりから、合同誌企画というものも自然と思い立つことになるのだろう。
人との繋がりというものをまず考える。そして、繋がろうとするなら、自分に何が出来るかを考える。こういうところから物事は始まっていくのだと思う。(あ、考えたら広報ってそもそも「人との繋がりを作ること」だった。)
……そういう意味では、私はあまり合同誌企画に向いている人間ではないのだ。「他の作家さんに積極的に繋がりに行くことが苦手」だから。だがこういう、繋がりを作ることへの苦手意識は、作家としての自分の成長を決定的なところで阻害して閉じ込めてしまうと近頃気づいたので、改めていきたいと思う。島村卯月、頑張ります!

【イベント前告知】

イベント前の告知は責任を持って入念にやる。ツイッター、ピクシブ、HP、ブログなど、可能な媒体を連動させて行いたい。
あくまで私の考えでは、
「頒布イベントの二週間前」「通販予約開始時」にガッチリ宣伝し、
「イベント直近」に、これまでと違うスクリーンショットを使った毛色の違う告知を行って宣伝に目新しさを与える
といったやり方が良いように思われる。
イベント直近というのは、新刊情報が過密化して以前チェックしていた筈のものも忘れ去られ易いので、新規に宣伝するのは良いことだと思われる。

☆サンプルページの選定基準
さて、宣伝や通販委託では、宣伝担当者は本誌よりスクリーンショットないしサンプルページを選定しなければならない。
サンプルページを作る場合、皆様は本誌からどこを抜き出しますか?(とりあえず成年向けとして)
1・冒頭、導入部分
2・サンプルでオチを見せてはいけないので、オチに向けて物語が盛り上がっていく部分
3・オチ含めて作中で一番エロくてそそる箇所

……色々な戦略があるとは思うので一概には言えないことなのだが、
私は当初は「」だと思っていた。
だが、冬コミを終えた今の時点では、私は決然として「」を選ぶ。オチだろうが構わず3を選ぶ。
また、長い話かつ冒頭が面白い話の場合(冒頭が面白くない作品ってのもタイガイだが)、冒頭をたっぷり数ページ、もしくは十数ページ、ピクシブ等で先行公開してしまうという宣伝の仕方もある。続きが読みたくなる「そそる」話ならば宣伝になる。度胸あるよね。でも、多い。
また、「最初から一部のページをサンプルページにするように見越して漫画を構想する」という人もいる様子だ。
「全身これサンプル」みたいな、どのページを切り出しても魅力にあふれている作家さんもいる。これはもう怪物作家なので参考にならない。
こういうこと、私は全然分かってなかった。が、今わかったので、今後は努力する。

☆表紙はどうしよう
表紙の出来というのが本の魅力を決定するといっても過言ではないので、
表紙に関しては困った。絵を作ってしまっていたので、ロゴでどうにかするという方策で色んな作家先生のご助言を受けながら手を加えた。
表紙デザインに関しては、表紙製作を受け持つ人は覚悟して勉強しまくるのがいいと思う。
勉強法とは…
売れ筋の漫画や同人誌の表紙を見て見て見て模写して模写して模写して分析して分析して分析して取り入れて取り入れて取り入れて試作して試作して試作して試行錯誤して試行錯誤して試行錯誤して信頼の置ける作家さんやデザイナーさんの判断を仰いで仰いで仰ぐ。
やろう。
あと、表紙を主催者が担当せねばならない理由はないので、参加者の誰かに前もって依頼してしまうのも手なのだろう。ですよね。今回は私の引き受け性が出て、私で描いてしまった。

【イベント後告知】

頒布イベントが終わっても、当然告知は継続する。
何度も言うが、宣伝というのは自分への責任行為であり、のみならず寄稿者への、更には本を買って下さった全ての方への責任行為でもあるので、物怖じせずにやる。謙遜して遠慮するのはこのような方々全員への背信行為になると思ってもいいと思う。
先ず、合同誌の主催者は合同誌の読者でもあるので、寄稿された作品全てに対して感想を述べて拡散するくらいのことはする。当然する。 感想というのは寄稿者への最大の返礼であるからだ。
折角なのでその時のログをまとめておいた→「ソリコレ~艦娘剃毛合同セルフ感想メント行為」まとめ
今後もし私が合同誌に寄稿する側になった場合は、一寄稿者の立場からでも多分このように感想を送ると思う。一寄稿者もまた合同誌の読者だからだ。 
そして、本を読みながら、また色々な方のご感想を集めながら、本に新たな魅力や切り口が与えられたと気づいたら、それもまた広めていく。
(例えば「剃毛合同」なのだが、ここでの私の作品は堂々たる霧島まんがであり榛名霧島である。サンプルはここ
金剛型姉妹クラスタの方には是非お手にとって頂きたいのである。あと、いつもの日向が出てくるので、伊勢日向まんががお好きの方にも是非お手にとって頂きたいのである。) 
twitterをこまめに検索し、本を喜んでくださった御反応があれば、それも感謝しつつ物怖じせず拡散する。
「その本を楽しんでいる人がいる」というのは、その本を手に取る上での最高の力になるからだ

このような仕方で、適宜宣伝を行いつつ、行き渡るべき人に本が行き渡るようにこまめに配慮する。
これが、主催側として引き受けるべき事柄だと思う。

……

以上、合同誌の主催として経験したことや反省点を長々と書いてまいりました。 
今後、合同誌の企画を考えている方や合同誌への寄稿を考えている方の参考になれば幸いです。
また、何かご意見等ございますれば、是非お寄せ下さい。
拙文、失礼しました。 

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