ビフィダス牧場

サークルyogurt、ビフィダスの活動報告場です

2019年05月

ビフィダスです。5月頭から休みを取っているつもりなのですが、
全然休めた気がしないのは僕が北海道に行っていないからでしょうね。
取材に行きたいが…

さて、私の中での最新作にあたる失楽天掲載「香リ合ワセ」
自分の中でもかなり性質の悪いストレスの中作業を進めた作品で、結果として作家生命にダメージを負い、おかげで今ダラダラと休みの時間を設けているのですが、
その切迫した作業の中で、我ながら「あっ」と感じたことがあったので、備忘を兼ねて残しておきます。
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「今日頑張れば明日には入稿できる、そしたらGW巨大連休前の編集さんを楽させてあげられる」みたいな不思議な義務感のもと、ヘコヘコと仕上げ作業を行っていた時のこと。
仕上げ作業というのは、ペンを入れた原稿に更にトーン(白でも黒でもない灰色のとこね)を貼り終えて、
ここからフキダシ(セリフを囲っているフワフワ丸いヤツね)とか効果描き文字(ドドドとかギシギシとかそういうの)を入れ、
セリフもその際に「多過ぎる」とか「なんか通りが悪い」とかで手を入れる、まあ読者の読み味を想定しての最終チェックのようなことをする作業行程なのですが、
その折、次のコマでふと気づきました。
s209
男が女に覆いかぶさりながら会話をしているシーンです。
…ヘンですよね?これがヘンということを、私は仕上げの段階でやっと気づくことが出来た訳です。
わかりますか?皆様にはわかるでしょうけど、描いている当人がわからなかった。本当、漫画の描き方初心者レベルみたいなことなのに、気づかなかった。
間をおきます。





はい。

二つのフキダシのうちの最初のセリフを、男と女のどちらが喋っているのかが、分からない。

この二人、顔の位置が近接しすぎているので、フキダシのトンガリ(正式名称を知らないけど、セリフを喋る人物の位置とか口の位置を示す尖ったパーツね)だけではセリフの喋り主を識別出来ないのです。
純粋にセリフだけ見てみると、二~三行目を見れば、「なにかの感想を言っていて、それは男側が言ってるセリフらしい」ことは想像できます。
が、問題は、セリフの一行目です。
「なんか」の時点では、このフキダシのセリフが誰に所属するのかが明確でない。
となると、読みながら読者の皆様は、この「なんか」のセリフを男の声で理解するべきか女の声で理解するべきか「わからない」ことになる訳です。
これは不味い。
描いている当人は「このセリフは男のモノ」と最初から知っているので、こういうことを見過ごしがちになってしまうんです。

これに気づいて筆が止まりました。さてどうしよう。
その時考慮した策をいくつか順に提示しておきます。
1、前後の脈絡をいじって、このコマのセリフがどう読んでも男が喋ってるターンであるように示す
→トーンまで貼り終えた前後のコマや流れをいじるのは高コストで、しかも読み口に害をなす可能性がある高リスクな方法なので却下。仕上げの時に手を入れるのは最小限のことでありたいマン。何故なら締め切り間際で思考力が落ち自信も無くなっている時に慌てて何かをいじると、全体の調和を大きく乱してそれに気づかないことが多いから。
ちなみに…
参考
大ゴマの右上とか大ゴマの直前に小さいコマで話し手の顔とセリフを入れて、次の大ゴマでのセリフ主をはっきりさせる手というのはあって、これはそこらじゅうで割と使われている気はする。
大ゴマの右上だと、こんな感じ。
参考3
大ゴマの直前だと、こう。
参考2
2、絵を差し替えて、男と女の顔が離れた構図にする
→トーンまで貼り終えた大ゴマを締め切り間近で変えるのはイヤなので却下。
3、フキダシのトンガリをニョイーンっと伸ばす
参考4
フキダシのトンガリを適切な仕方で伸ばすことや、フキダシ位置を適切な位置に動かして読みやすくするというのはスーパー基本的で良い手だとは思うのだけど、
絵や画面との兼ね合いでその手が使えないってことは、あります。仕方ないね。
今作では却下。
4、フキダシの中に、キャラの名前だとかデフォルメ顔とかを入れて話し主を明示する
参考5
セリフしかないコマとか、人物の多いスポーツ漫画の多人数発言シーン・解説シーンだとよくあるケースだけど、これも私の今作の画面には合わないし、画面情報量的にも煩わしい&合わないので却下。
5、男のフキダシの形や色を変えて差別化する
参考6
これもよくある手だが、こういう場合Cのセリフは前後から黒フキダシになってる、みたいな文脈的統一性がないと成立しないので、僕の今回の作品ではあまり使いたくない。
あと、フキダシの色が黒い場合は発言状況や発言人物が特殊というイメージ(NPCとか、悪の存在だとか、竿役おじさんとか、あとは物凄くどす黒い一言とか)があるので、ちょっとここでは使いたくない。別にこれは約束事はないので上手くやれば使えるとは思うけど。

じゃあどうしたのかというと…
まあつまり、フキダシに工夫をせずに、発話者を明示する為に有用だと思ったことをやりました。
その内容は…本誌をご確認いただけると嬉しく存じます(販促ムーブ)。
コミフロはこちら!https://komiflo.com/comics/5348

いかんせん、
ネームの時点で気づいていなかった自分が悪いということではあるのですが、
ネームが比較的乱雑でもチェックを通ってしまうケースは結構あると思う(作家がデビューして間もないとかデビュー前とかだと、編集さんに徹底指導される内容だとは思うが、編集さんに基礎的なことをある程度教えてもらったら、あとは自分でチェックすべきだと思うのでやっぱ私が悪い)し、
あと、線画のチェックを入れてもらう際には作業行程の都合上、セリフを出力しないまま編集さんに提出してしまうことがあるので、
結局、作家自身がしっかりチェックするしかないことな気がする。

危なかった。
漫画を皆様にお届けする際には本当小さくも重要な苦労があるということに、しみじみ気づかされたというお話です。
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漫画って、どこか読みづらい箇所があると、その瞬間に気づかぬうちに心の歯車が作品から1mm1mm離れていって、やがて目と脳が画面からスゥーッと離れていってしまうというケースがあるので本当怖いと思う。
一方、読みづらいくせに、何度も何度も繰り返して謎を解くように読んでしまい、グイグイ引き込まれてしまう作品というのもあって、ワタモテとかがそれだと思う。でもそれも、ワタモテが「心の謎を提示し、それを解く」という構成で出来た物語だからというところが大きい気がするので、「読みづらい作品ほどみんな読み返してくれる」みたいなことでは決してないと思う。思う思う。全部推測で全部仮説だけど、この仮説はかなり耐久性の高い仮説なので僕は暫定的に信じている。
漫画ってほんっとーに面白いですね。

エロ描く方のビフィダスが失楽天6月号(5月17日発売)でマンガを掲載させて頂くことになりました。
廃屋と思っていた場所が喫茶店になっていて、そこで英里さんという女性に出会うお話。チラシ
チラシ2
ハーブティーの香りに包まれて、日常が新しいものになっていく…
よろしくね!
感想、聞かせてね!!
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「マリエさんと温泉へ」電子DL版、FANZA様にて配信開始しました!
よろしくね!
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また、マリエさんのグッズ類についてもここでまとめておきます。
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・・・これからも何か動きがあるかも。よろしくおねがいします。
感想聞かせてね!

ビフィダスです。
4月はちょっと珍しく、嫌な働き方をしてしまったので、
仕事が一息ついた今、振り返りをしておきます。
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3月から4月にかけてはちょっと忙しくなってしまった。
3月23日、同人合同誌への寄稿4P入稿
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3月31日、「交わりの宿 弐」20P入稿
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4月8日、「マリエさんと温泉へ」32P+表紙入稿
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4月24日、失楽天誌原稿20P入稿
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こんな具合に、4月上旬近辺に締め切りが二つ三つ、そして4月末は大型連休前の前倒しが発生して、
普段だったら余裕を持って進行する筈のスケジュールのところ、自分で自分を追い立ててしまった。
「プライベートを全て犠牲にしての作業」という感じになってしまっていたのだ。
結果として、これまで感じたことのない物凄いストレスを感じる一ヶ月となってしまった。
「あーこれが終わったら暫くなんもしたくない、北海道でラベンダーに囲まれながら死にたい」とかずっと思っていた。
今回特に痛感した、まずいことをいくつか。
1・考え事が出来ない。
日常に余裕ありてこそ考え事が出来ると思うのだが、これが出来ないのが厳しかった。
「考え事」というのは漫画を書き続けて生きていく生活を送る上で、多分、絵を描く事以上に重要なことだと思う。
ここが骨抜きになると、考えの視野狭窄みたいな状態になって次に向けた作品を着想できない、だとか(そもそも作品作りって次の展開・その次の展開を常に常に考えながらやらなきゃロクなことにならないから、考えの時間幅を確保できなくなったら死も同然なんじゃないだろうか。コワイ!)個々の描写が手癖になり色気がなくなる、とか、色々な弊害が生じると古事記にある。
今、ようやく考え事の時間を確保できて嬉しい。
2、仕事が苦しいものになる。
今まで、漫画を描く事は辛い日常から逃げる逃げ道のようなもので、だから楽しかったのだが、
この一ヶ月は「プライベートを犠牲にした」「この多忙により、人生の決断から逃げてしまった」といった負い目を生じさせる働き方をしてしまい、結果として仕事が辛かった。漫画の仕事を、こういう仕方で辛いと感じるのは初めてに近いことだったと思う。
仕事は兎に角何らかの仕方で楽しいものにしておかなければ絶対長続きしない、とは本当思う。
3、自信の欠如。
自信というのは計画的に出すことが出来るものだと考えていて、実際そうしているつもりなのだが、今回はその計画が破綻したので物凄い陰鬱な状態だった。
自信の欠如した状態というのは、鍵を閉めたかどうか確認してない状態での外出のようなもので、ほんtttttttttっとうに仕事が遅くなる。から、なるべくなら機械的に除去しておきたい。
自信を計画的に作り出す仕方というのは、またいつかの機会に書き残しておきます。

で、これからやりたいこと・やったこと。
1、飲み
これは案外身体への負担が大きく、一日で懲りたので、あんまやらない。
2、散歩
ここんところよくひとりで数時間ダラダラ歩きながら考え事をしている。これはすごい楽しい。
3、土いじり
草花を育てたいと思っていたので、ラベンダーとかハーブ類とかを育て始めた。
4、北海道
北へ行こうランララン
北へ行こうランララン
春も夏も秋も冬もね
胸躍る北へスキップ
5、料理
これも今めちゃくちゃやってます。
6、身辺整理
必要になるかも。
7、ケムリクサの研究
ケムリクサ、構成が独特で興味深いので、後学として各話の展開の整理をしてまとめておきたい。
重要な発見がある予感。
8、北へ
nocchi先生の絵を勉強しないといけない。新たな扉が開かれる予感がする。
9、北へ
ゲームも進めたい。ターニャちゃんのトゥルーエンドを見てから触れていないのだ。
10、北へ
北海道の取材もしたい。
11、カラーの勉強
カラー、勝手がわからなさ過ぎるので、ちょっとあれこれ道筋を整理したい。

comic1☆15お疲れ様でした。
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ご来場頂きました皆様、本をお買い上げ頂きました皆様、暖かいご挨拶や差し入れを頂きました皆様、改めて感謝申し述べます。ありがとうございました。
また、当日の売り子をお願いしましたnaoさん、当日のおっぱいの設営をして頂きましたとらのあなの皆様、心より感謝致しております。
新刊は書店で委託もさせて頂いております!コチラ
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さて、今回は普段と違う面白い状況が生じていたので、それ含め備忘がてらつらつら書き残しておきます。
・売り子さんの衣装
ピンクのオフショルダーを探して、百貨店や女子衣料店を彷徨いまくった。
とてもいい経験だった。
・マリエさんのおっぱいに関して
https://ec.toranoana.jp/tora_r/ec/item/220005107161
とらのあなの方に「スペースで展示させて頂ければ」というお話は頂戴していたので、ワクワクしながら搬入を待っていたら、男性二人がかりでキャリーに乗せられ運ばれてきた段ボールがイヤに大きい。
念のため、長机半分に相当する自スペースのうち、B5の本2冊分を開けておいて待ち構えていたが、
いざ梱包を解かれたそれは大きさがヤバく、B5の本3冊分がそのおっぱいに占有された。
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このでかさ!挟む対象が腕とか頭!
だが、この大きさのお陰で、イベント中にめっちゃ自分でおっぱい揉めて「揉めるって・・・いいな・・・」としみじみ癒されたし、当スペースにいらした方にタッチをお勧めすることが出来て、本当に良い機会だった。
あと、兎に角この「物理的大きさ」「そこから生じる体感性」は初体験だった。かなり多くの人にとってこの大きさは初体験になると思います。
1、シャツを着せて、布越しにタプタプ触ると、ちょっと背徳感が増してこうふんした。
2、乳輪のしわしわ質感が結構リアルで(ひだひだ感がある)、指でいじるとすごくいい。
3、胸を揺らすとその振動が随所に波及してすごく重量。
4、乳首をいじるとこうふんする。
5、私「これシャツとか着せて枕にしたいですね」naoさん「マイクロビキニを着せて、たわませたいです」私「なるほど(敗北感)」
・何が良いかと言うと
ヘンなことを言うが、同人作品を定期的に描いてイベント出品していると、やることはある時点からどんどん平板化して行く。
自分の中でノウハウが溜まり、手ごたえと労力との均衡ラインがハッキリしてくることで、
あるいは自作品の反応のデータを取るためにノイズを増やしたくないといった計測メンタル(これはこれでとっても重要なことだとは思う)によって、
出品作品数・展示形式や当日の特典といったものは変動しなくなってくる。
そんな中、このような刺激的な展示が出来て、イベント参加者の方々に新鮮な驚きや体験の機会を生む結果になったことが、とても嬉しかったしありがたかった。
何か面白いことをするということ、あまり毎度は出来ないにしても、すごく重要なことなのしれない。
そしてこういうおっぱいを作っていただくことになった発端は、私の過去の一つのお仕事だったりするのだから、いろいろなことに感謝した。
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今、秋葉原とらのあなA店(というのかな、アニメイトの並びにあるとこね)の7階に行くと新刊と一緒にすっごい展示していただいているので、おっぱい揉んでみたいという方は是非!
・イベントでいつも思うこと
「絵やポスターだけ見て衝動的に買いたくなるような魅力」というのは本当にあって、イベントの度に痛感させられるのだが、
今回はこの衝動に素直になろうと特に意識し、様々な本を買わせて頂いた。
そして、今戦利品を自宅で読みながら、また別のことを考えている。
ページを開いた瞬間に「ああ買って良かった」と思わせる絵柄というのがあり、
読み進めながら「ああ満足だ・充実だ」と感じる漫画作りというのがあり、
この三つがどれもかなりハッキリとズレている
この三つを兼ね備えて外さない為に私に出来ることは何か…
そういうことを考えてウンウン唸っているし、このたび買わせて頂いた本・交換して頂いた本で、その手がかりが物凄く沢山得られた気がする。
頑張ります。

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