2016年賀
明けましておめでとうございます。
旧年は沢山の方と知り合うことが出来、そして沢山の方のお世話になりました。
今年もよろしくお願いいたします。 

また、旧年のコミックマーケット89、ご来場ありがとうございました。
こちらでも大変様々な経験を致しました。
折角の機会ですので、備忘録がてら、幾つか書き残しておきます。
【C89、壁サークルでの参加と合同誌主催】
今回のコミケは、100P超えの合同誌の主催と壁サークル参加という二つの新しいことが重なった参加形態となりました。
そのことが、結果的に様々な幸せと、一方で確固とした不都合とを招くことになりました。
壁サークルと聞くと、コミケの花形だとか、一流サークルの象徴だとか、そういう印象を抱く方もいらっしゃるでしょう。
実際私もその一人で、人生において一度は壁サークルというものになってみたいと強く思念してはいました。
が、これ、完全なる誤解です。
搬入数を増やせば壁配置にはなる訳で、「壁になったから人気サークルになる」という訳ではないのです。
人気サークルであれば壁であろうが島中であろうが人気サークルであり、人気サークルになりたければまず作品魅力を増すべき、と言う話なんですな。
で、僕が今回感じたこと、「何が変わったのか」そして「何が変わらなかったのか」について一つ一つ述べていきます。
【変わったこと】
1・不自由
今回は合同誌主催ということもあり、寄稿者への配本・返礼を自分で管理せねばならなかった為、
結果としてスペースから殆ど出られなかった
コミケの醍醐味である、「スペースをあちこちゆっくり回って様々な作品に出会い、様々な方にご挨拶して本を交換したり購入したりする」ってこと、「コスプレ広場を歩き回る」みたいなこと、
そういうことが殆ど出来なかったのが強い苦痛だった。
もちろんこれは「合同誌主催」という特殊な立場に拠る事柄でもあるのだろうけれど、
壁サークルならば扱う物品量も扱う金銭量も多くなるのだから管理という点でもあまりウロチョロは出来なくなる。
「完売を目指した搬入量」に調整すればこの点は解消される気もするが、果たして。
2・人に会えない
これも上に付随することだが、前の夏コミのように「いろいろな人に出会う」ということが封じられた。
前の夏コミは誕生席で、隣近所が同ジャンルに囲まれていたので、様々な場所とのアクセスが良かった。席が近いなら、遊びに行くのも簡単で、結果多くの人のところに気軽に回れたし、多くの人がこちらに気軽に来てくださった。
だが、今回の壁配置は、艦これ島から遠く離れた箇所の配置となってしまった、こちらからは行き辛いあちらからは来辛い
また、壁サークルの人間に対して挨拶をしに行くのは、する側としてはかなり億劫なものだ
混んでそうな気がする。忙しそうな気がする。迷惑な気がする。新刊交換しづらい。
長話もしづらい。「あ、お忙しそうですのでこれで」となる。
悲しい。
悲しい。
悲しすぎた。
3・一番必要なのは「メンバー」
結局のところ、壁サークルを維持する為に一番必要なことは、
長く関係を結んだサークルメンバー信頼関係があり理解と危機意識を共有している友人お金含めその場を任せられる誰かの存在、なのだと思う。
一方、ぽっと出で出てきた私にはそういう関係の知り合いがいないのであった。  
異様な孤独を感じた。
孤独というのは面白いもので、ふとした時に出てきて、けっこうコタエる。
(追記)このメンバーというのは「信頼の問題」というより「責任の問題」として考える事柄だと思う。
今回私は売り子さんやお手伝いさんを頼んだが、どれだけ「信頼」していても、「じゃあ責任を負わせられるか」というと、そうとは限らない。責任とはそういう概念なのだ
何かトラブルが起きた時に「だったら俺が全部やっているべきだった」と少しでも思いそうなら、自分がスペースに張り付いて責任を持つべきだと考える。あくまで個人的な立場ではあるが。
4・搬出の難儀さ
前回の夏コミにて予想以上の速さで本が完売し、多くの方が残念そうな顔をなされていたのを気にして、
今回は搬入量を増やした。(結果として壁配置になったわけだ。)
総集編は56P、合同誌は104P。本がぶ厚い。合同誌を三冊まとめた封筒が、既に億劫な体積と重量になる。
この本の厚さが、残部として出た時に暴力になって私に襲い掛かった。 
一人の人間がカートなしにサクサク運べるものではなくなっていたのだ。
分厚い本を頒布するのならば、残部が出ないことを優先事項として搬入部数をきめるべき、と、はっきり認識した。 
単純に、体力の問題として。
部数の読み違いが致命傷を招く危険性、高い。
【変わらなかったこと】
1・多くの人に会える、多くの人に買って貰える、読んで貰える
結局ここのところ、この最大の醍醐味は変わらない。ただ、島にいても変わらないっちゃ変わらない
【よい意味で変わったこと】
1・でかいポスターを刷れた
これはすげえ満足だった。これを一度味わえたのは本当によかった。


・・・ で。
自分にとってコミケの楽しみとは何なのか。コミケに参加する意義とは何なのか。
それが再確認できたという意味で、今回こういう配置を得てこういうものを頒布できたことは大変有意義だった。