初単行本『キミを誘う疼き穴』、発売は1月17日です!よろしくね!
練習005
アマゾンはこちら
今回は、備忘を兼ねて、単行本作業を振り返りたいと思います。
今後、スケベまんがデビューしたいとか、本を出したいとかいう方に、なんか御一助になればと思います。

ちなみに、収録作品と順序はこうなります。
・奥宮さんはお手洗いにいる (12月号) 最新作。OLだ。
・ゆり姉との主従関係 (8月号) OLの変則おねショタだ。
・松原さんと温泉で (9月号) 温泉浴衣だ。
・雨宿りのミカ (11月号) 変則学生モノだ。
・バナナセーキガールズ (2月号) カラーだ。学生だ。
・ヒカリさん開発日誌 (5月号) 主婦だ。
・陸上部ランちゃんの憂鬱 (6月号) 陸上部だ。
・公衆便所の花澤さん (3月号) 学生だ。
・センパイ・ビフォーアフター (1月号) 大学生だ。
・原田さんの帰り道  (11月号) デビュー作。学生だ。
(振り返ってみると1年1ヶ月で一冊分の原稿が溜まった形になる。比較的早いペースらしい。) 

・本を売らないと作家には想像だにしなかったくるしみが待つ
作家は、本を売りたい。
何故か。
これは、作家がいざデビューしようという時にあらゆる場所の編集さんから何らかの形で必ず聞く話らしいので、ここで書いても害はあるまいと判断したので書く。
本が売れないと、作家の名前は何か(卸業だったか)のブラックリスト的なサムシングに載る。
そうすると、流通期待値を見くびられて次の印刷部数を制限される。
もしくは「そのペンネームは使えないので名前変えて下さい」みたいなことを言われる。
もしくは、ブラックリストから名前が消えるのが二年らしいので(聞いた話だ)、名前を変えたくないなら本の出版を二年、待たされることになる。
これは嫌な気分だろう(これを聞いたときには僕も嫌な気分になった)。
無論、作家人生の終わりなどでは全くないのだが(これは後述する。絶望することはない)、ただ、作家として作品を作る上の必須属性である「鼻っ柱」は、へし折られる。ヘコむだろう。
だから、作家は、自分の本が一部でも多くの読者の方に届くように必死こいて作品を仕上げていくし、
編集さんは、作家の本が一人でも多くの読者の方に届くように、必死に内容を整えて、プロモーションして、営業かけたりするのである。

作家は必死だ。編集さんも必死だ。少なくともエンクラの私の編集さんはものすごく力を割いて下さった。昨日知らされた書店特典の充実を見て僕は泣いた。だから私も頑張ります。よろしくね!

・単行本のタイトルを決めよう
さて、作品を単行本にまとめる上で、慎重に考えなくてはならない最大要素は二つ、
「タイトル」と「表紙」です。
これをどう決めるかに関しては、編集さんと入念な打ち合わせをし、何度もリテイクした。
編集さんは、当然、「自分の雑誌で売れてきたパターン」とか「今の時勢のデータ」とかいったものをノウハウとして持っていて、
それを作家に伝えながら、共に本を作り上げて売っていくことになる。

出版社ごとに、このノウハウは違うだろう。
例えばエンジェル倶楽部で「妖艶ママ油地獄」というタイトルをつけたとして(架空です)、
LOで「妖艶少女油地獄」とかいうタイトルで本を売って売れるとは考えづらいし、
LOで「おさなづまとあわわックス」というタイトルをつけたとして(架空です)、
エンクラで「うれうれママンとあわわックス」が売れるとは考えづらい。
タイトルに明確な属性(主婦とか、JKとか、純愛だとか不倫だとか)を入れたほうが読者に内容が伝わるので売れてきた、というノウハウを形成している出版社もあれば、
タイトルがぼやっと抽象的なものでも売れてきた、というノウハウを持った出版社もあるだろう。
そもそも売れても売れなくても構わん、気にしてない、という出版社もあるらしく、そこは作家が不幸になりそうだからあんまよくない気がする(こういう場所もあるらしいので、気をつけたい)。
そんな感じで、各出版社で思想があると思うので、作家さんは編集さんにそういう傾向とか指針を聞くことになる。

僕の場合はかなり困った状況になった。
上を見れば分かるとおり、今回の単行本収録分の作品は、お姉さん系と、学生系が、半々くらいに分かれている。
そのお陰で、本のタイトルに、属性として「お姉さん」とか「学生」とかいった言葉が使えなくなった。
「OL」とか「主婦」とかも使えない。
このときは頭を抱えたが、結果的には相談して判断し、そういった言葉を含めない形になった。というのも、私の作品全体を通して、ある芯柱があったからだ。これが属性言語の代わりになり、表題に取り入れられた(当ててみてね!)。
属性を定めることは、ウリをはっきりさせる一方で、客層を「絞る」可能性がある。
属性を定めないことは、客層を絞らない一方で、内容が想像しづらいという意味で訴求力を失う可能性がある。
取捨選択だ。
僕は取捨選択した。
他にも、このタイトルを決めるまでは様々な取捨選択を行い、最終的に決定をした。
人生を後悔無く生きる秘訣というのを、この難航した表題決定作業からしみじみと感じている。
つまり、人生の全ての事柄において、自分で決断する限りは、後悔が無い。
そして、自分で決断する限りは、事前に想定されるあらゆるリスクを想定し、洗い出し、検討しておかねばならない(これがないと、弱ってる時に他人の口車にのって全財産をスッたりするから本当気をつけよう)
「この道を行くとこういう利点とリスクがある」。「この道を行くとこうなる」。十分にそれを想定する。その為に自分で考えるだけでなく、信頼できる人がいれば知恵も借りる。想定できない事柄に関しては最早神の采配の領域なので、覚悟する。そして、心が決まったら、進む。
編集さんとの長い長い相談は、この「事前に想定されるリスクの洗い出し」だったと言える。

兎に角、結果として私の単行本の表題は決まった。
自分で納得して決めたので、ズッコケてから誰かを呪うようなことは無いと思う。

ちなみに、私の単行本収録作品が、学生と非学生で半々であること、これも選択の結果だ。敢えて内容を散らすことを選んだ。
その報いを単行本作業で受けて、表題決めの時にはかなりクヨクヨしていたが、
今振り返ると、内容を散らしたことは間違いではなかったとも思っている。今後どうするかはまだ判断に迷っているが、そろそろ決心がつくだろう。

・表紙を決めよう
これに関しても、様々なノウハウがあった。
このノウハウは、編集さんと相談する以前に、作家さんとの雑談の中で獲得してきた。
これに関してはあまり公言する話ではないので、知りたいときにはどなたか作家先生にコンタクトを取ってみて聞いてみて下さい。素敵な話が沢山聞けると思う。
ちなみに、僕は表紙候補を三つ用意するよう言われていたが、最初から今の案(A案としよう)で行く気まんまんだった。
b1リサイズ

他の作家さんに見せたら、B案やC案がいいという声も挙がった。
だが僕はA一択だと思ったし、Aで外れても後悔が無いと思った。編集さんもA案だった。

・ちなみに
ブラックリスト的なものに載っても、他社に持ち込みをかけて、あっさりペンネームを維持したままエロ漫画の最高峰の場所で作品を描き続けている作家先生が現にいる。
何となくだが、作家の人生軌道を決めるものというのは、当人の持つ画力だとか売れ方だとか以上に、
作家の個性的魅力だとか、人間的行動力だとか、タフさだとか、あと人の繋がりだとか、そういうもんなんじゃないかと思わされる。無論、運とかめぐり合わせとかもあるのだろうけれど。