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失楽天に掲載させて頂きましたこの作品「ミユキ姉のソファー」
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について、思い出したことがあったので備忘がてら記述しておきます。
このヒロインのミユキさんは、キャラデザインと基本構想だけは7月くらいに既に出来ていました。s174
↑編集さんに提出したラフ。この段階で「でかくてだらしないボデーの女の子を描く、その女の子は基本内向的だが家の中で出会う主人公に対してだけは素の態度が出る」というコンセプトが明確だった。
で、このヒロイン像を僕は気に入って、
「隣の家のだらしないお姉さんがスキだらけで寝ている時に、ひっそりイタズラする」という話の構想を立ち上げたのです。
そのとき、編集さんから頂いたアドバイスがこうでした。
編集さん「お隣さんだと関係性が弱い気がするので、従姉妹とかにしませんか」
私「なるほど(←あまりに安易な同調) そうしてみましょうか」

この提案を僕が受諾してから、このネームは一切が止まりました。
二人の関係性と出会いのシチュエーションという、話の根幹・前提・土台が変わってしまったので、その上に立っていた道中~帰結までの流れ、ウッスラ考えていた「描きたいポイント」がゼンブ息の根を止められてしまったのです。
揺らいだ土台からは、アイデアの枝葉がバラバラに生えてくる。このまとまらない思いつきの集合体の量が、いよいよ精神を圧迫する。どの枝葉を切れば幹が通るのかが、ある時点から完璧に見えなくなってしまう。
結果、スケジュールのデッドラインになって構想全撤回・再提出したのが、「もてなしの湯」となります。

「もてなしの湯」を描いた後も、生み出したヒロイン像(むちむちはどーしても描きたい)は頭から離れないので、この子の魂に肉体を与えて脳の牢獄から解放してやる為にも、再度ネームに挑戦しました。
が、やはり焦点が定まらない。
で、スケジュールのデッドラインになって、話の前提をあれこれ組み替えたり要素を整理したりして、従姉妹という設定を「なんか導入がかったるい」と感じて「お隣さん」にしたところ…
一気に話が出来上がりました。
そして、後々になって自分の難航の理由を確認すべく振り返って考えていた際に、
「あ、これ最初の構想に戻っただけだった!」と気づいたのでした。
これは大変教訓に富む気づきとなりました。

思うに、物語の着想となる最初のひらめきというのは、複数のアイデアのワンセットなのでしょう。
そのワンセットのアイデアたちは強固な直感性を持ちながら緩やかに親和していて、
思いつきでいじってしまうと、親和性が失われておおもとのパワフルな直感性ごとダメになってしまう…。(例えば…カレーという着想には、味の強いカレーソースその味を受け止めつつボリュームの主体を担う温かくて柔らかいライスアクセントたる福神漬けがワンセットになっていて、そのライスを「ライスより大根おろしの方が健康に良さそう、白いし」とかいって差し替えてしまうと、おおもとの食べたいものではなくなってしまう訳だ。)
この、最初のひらめきの時点で、パワフルなアイデアのワンセットをどこまでガッチリ作れるかが、読み切りを構想する上でのキモではないか、とか考えてしまいますね。

あと、人のアドバイスは話半分で聞いておけ、という教訓も得られました。話半分という態度って実は物凄く良いことな気がする。「参考になるなら取り入れるし、そうでなければ省みない」というの、アイデアマンのキモみたいな態度な気がする。何でもかんでも柔軟に意見を取り入れればオトナ、という訳では決してない。